内装偵察機器

偵察機器配置

RF-4Eに搭載して各種の情報を収集するために使用されます。内装式の偵察機器は機首の部分、前方監視レーダーの後方のカメラベイに搭載されます。

KS-87B

KS-87B

KS-87BはRF-4Eのノーズ・ベイに設けられたFoward Station、Low-Alt Station、High-Alt Stationのいずれにも搭載できますが、通常は一番前のForward Stationに搭載され、航空機の前方あるいは直下を撮影します。

レンズは交換式で3inch、6inch、12inch、18inchの焦点距離を持つレンズを使用しますが、Forward Stationに搭載する場合は6inchに限られます。

シャッターはフォーカルプレイン式とレンズ・シャッター式の2組のシャッター・システムを持ち通常はフォーカルプレイン・シャッターが使われます。
航空自衛隊では夜間の撮影でKS-87Bを使用することはありませんが、フォトフラッシュ機能を使って夜間の偵察が可能です。フォトフラッシュカートリッジはRF-4Eの垂直尾翼の付け根にあるベイから打ち出されます。

KA-56E

KA-56E

KA-56E、低高度パノラミック・カメラはLow-Alt Stationに搭載され、左の水平線から右の水平線までのエリアをパノラマ状に撮影します。

通称「ローパン」です。撮影範囲は航空機の直下左右90度、水平飛行をしている場合には右の水平線から左の水平線までの広い範囲を一度に撮影します。航空機が機動しても90度以内のバンクであるならば、航空機の真下を必ずフィルム上に捕捉することができます。

レンズは3inchの焦点距離を持っています。このレンズの前にミラーをおいて高速で回転させることによりパノラマ状の画像を撮影することになります。

KA-91B

KA-91B

KA-91BはRF-4Eのノーズ・ベイに設けられたHigh-Alt Stationに搭載されます。通称「ハイパン」です。レンズは18inchの焦点距離を持つレンズを使用します。

撮影範囲は航空機の直下左右31.5度又は45度で、ある程度高いところから広い領域を一度に撮影する場合に有効です。レンズの前に回転するミラーを置いてパノラマ状に画像を撮影することは「ローパン」と同じです。

LOROP(KS-127A)

KS-127A LOROP

KS-127A LOROPカメラはカメラベイの全部を占有します。このため他の光学偵察機器は搭載することができません。66インチの焦点距離を持つ超望遠レンズを使用して、遠距離から目標を撮影します。

AAS-18A

AAS-18

AAS-18A 赤外線偵察装置はWSO席の下部に搭載され、他の偵察機器と干渉することはありません。検出器はマーキュリー・ドープト・ゲルマニウムで相対的な温度差を検出して映像化し、フィルムに記録します。

昼夜間を問わず画像を取得することができます。ただし、陸域と水域の温度差が小さくなる朝、夕には良好な画像が得られないことがあります。また当然のことながら赤外線が透過できない雲の上あるいは中からは画像を対象物の画像を得ることができません。

SLR(APD-10D)

APD-10D

Side Looking RADAR "APD-10D"は側方偵察レーダーで航空機の進行方向に対し90度右あるいは左に電波を発射し、反射波を受信して処理することにより地上の画像を得ます。

SLRのアンテナはコクピットの下方の両側に装備され、データを記録するレコーダはカメラベイのLow-ALT Station又はHigh-ALT Stationに搭載されます。レコーダに記録されたデータはモアレ状の画像になっておりそのままでは利用することができません。最終的には情報処理隊の装備しているコリレータ・プロセッサで再度処理します。

出来上がった画像は一見、光学画像と似た感じに見えますが、あくまでレーダー波の反射状況を記録しているものなので判読して情報を得る場合には注意を要します。

シンセサイズド・アパーチャー・アンテナを使用しているので撮影に当たっては水平・等速直線飛行を要求されますが、昼夜間、天候等に影響されることなく情報を取得することができます。

外装偵察ポッド

RF-4EJ用として3種類の偵察ポッドが装備されています。F-4EJを偵察機として使用するため、偵察能力を付与するための改修が必要になりましたがこの改修を最小限に留めるため機体の改修は行わず、偵察機器はすべて外装ポッドに格納して、RF-4EJのセンターラインステーションに搭載することになりました。

長距離偵察ポッド

LOROPカメラ(KS-146B)を1台収納したポッドでRF-4EJは全機このポッドを搭載することが可能です。光軸がストレートなため内装型のKS-127Aに比べて光学的精度が高いと言われています。LOROPポッドと呼ばれています。

戦術偵察ポッド

低高度戦術偵察用のポッドで、低高度偵察カメラ(KS-153A)、高高度偵察カメラ(KA-95B)及び赤外線偵察装置(D-500)の3種類の偵察装置が収納されています。TACポッドと呼ばれています。

戦術電子偵察ポッド

RF-4EJだけに付与された「戦術電子偵察」用の装備で、ELINT情報を収集し電波輻射源の位置、種別、関連武器等についての情報を獲得します。TACERポッドと呼ばれています。